肩こりと整体

揉んでも治りません

街を歩いているとチェーン型のマッサージ店の看板をよく目にします。それだけ「コリを揉んで癒されたい」人が増えているのだと思います。肩がこっているときにマッサージをしてもらうとやはり気持ちがいいものです。ですが「揉む」だけでは気持ちがいいだけで「肩こりになる体質」が変わるわけではありません

また、確かに「物」だったら固いものでも揉んだりこねたりすれば柔らかくもなるのですが、人間の身体というのは物と同じ様にはいかないのです。肩こりをいくら揉んでも、その時だけ、なんとなく柔らいだ様にはなりますが、根本的には変わっていかないのです。それどころか、「揉み返し」という言葉の通り、翌日以降に痛みが酷くなったり、ときには腕が挙がらなくなったりすることもあります。

肩こりは意外に複雑なもの

「肩こり」自体はとても日常的なものですが、その原因を丁寧に見ていくと個人個人全く違うことがわかります。現代的には、「目の使い過ぎ」の割合は多いです。それに食べ過ぎても肩はコリますし、イライラしていても肩がコリます。当然ですが原因がちがいますから、同じ方法では対応しきれません。ですからこういった疲労の原因となる「使い方が正される」ことで、はじめて根本的によくなる可能性が出てくると言えます。

整体では、一つ一つの原因を正すというよりは、とにかく「どうすれば全体がゆるむか」ということを考えます。特に当院の整体ではその人の心の緊張のもとを取り除くことを大切にしています。少し冗談みたいな話ですが、「怒ればコル、許せばユルむ」という言葉があります通り、心のあり様というのは即、身体には如実に現れます。逆にこうした心の処置をいっさい取らずに、身体だけ調子を整えよう思っても無理があるのです。

必要以上に食べ過ぎてしまうのも、やはり最初に不快を味わったことがきっかけで、頭が絶えずそのことを考えてしまうことから起こります。こういう時は頭に上がった血を下げようと思って(そうとは知らずに)、食べています。ですがそのイライラした瞬間の情動を忘れていることもよくありますから、頭はいぜんとして緊張が続いていますし、そこに内臓疲労が重なってさらに治りにくいのです。

侮れない肩のこり

肩こりは個人個人、度合いの差が非常にあります。軽度のものはさっと柔らかくなりますが、多年にわたって岩盤のように固くなった肩は、半年、一年とかけて身体の癖がとれてくるとだんだんと柔らかくなります。時間の長短はありますけど、整体を続けていくとやがてはみんなゆるんで重心が下に降りてきます。マッサージや薬のような刺戟は、同じことを繰り返すと耐性が出来て「効かなく」なってくるのですが、整体の気の手当てはやればやるほど効くようになってきます。続けることでゆるみやすい身体を育てていると言えます。

慢性的な重い肩こりの人の中には、コリを自覚していない方が多いのも特徴です。本人は「一度も肩こりになったことがない」と思っていても、実際に触ってみるととても冷たく固い人がいます。これは身体の感覚がだいぶ鈍っていますから、やはり自然治癒力が働かないためよくならないのです。

身体は「異常感」を自分で気づいた時から治り始めるようにできています。そのためにも痛みやコリに早く気がつく「敏感な体を保つ」ということが身心ともに柔らかさを保つ秘訣です。先ずは身体に触れながら、どこがどのように固いのか、を細やかに確認してみましょう。身体というのは今の自分の気持ちをよく現していますから、楽になるヒントをきっと教えてくれるはずです。