せい氣院

仙腸関節痛

仙腸関節とは

仙腸関節とはお尻の真ん中になるハート形の骨「仙骨」とその両わきをかためる蝶々のような骨「腸骨」を連結している関節のことです。

関節といってもこの部分は強靭な靭帯でつながっているため動く幅はわずか数ミリ程度ですが、人間の健康を支える上でこのわずかな可動性が非常に重要なポジションを占めています。

この仙腸関節がやわらかいと横隔膜がやわらかく上下動して呼吸が深くなりリラックスできます。

逆にこの仙腸関節をつないでいる靭帯が固くこわばると腰の片側、もしくは両側ががしくしくと痛んだり、精神的にも緊張がほぐれず疲れやすくもなります。

骨盤と心理状態とのつながり

身心共にリラックスした状態のときに骨盤を触ってみると、左右の幅がふわりと開いていることがわかります。

女性の場合は生理の時にきちっと骨盤が開いていることが望ましいのですが、ストレスで頭に緊張があると仙腸関節が固くなって骨盤がスムーズに動かず生理痛や月経不順をおこしやすくなります。

このように骨格の中でも特に骨盤は心理状態をよく表します。

故に身体が整っていることで仙腸関節がしっかり動くような状態であれば、心のストレスもコントロールすることができます。

体の刺激によって心をリードすることは、昔の日本人の身体性にはごく普通にあった能力ですが、頭を酷使する現代ではその働きを活かすことが難しくなってきています。

無理なストレッチで傷めやすい仙腸関節

体を拝見していますと、この仙腸関節を強くストレッチしたことで痛めてしまう例をときどき見受けます。

ストレッチというのは意識的動作で体を伸ばしてゆるめようとする作業ですが、先にご説明したように骨盤の可動性は無意識の影響を受けやすい所です。

例えるとゴムが凍った状態のときに、グッ!と引っ張ったら割れてしまった。そんな状態に似たことが体の上で起こってしまいます。

つまり無意識の緊張があるのに伸ばそう伸ばそうとしてぎゅーっとしたらピリ!っとなって「イタタ!」という怪我が意外に多いのです。

人の体は固いところを無理にひっぱったり揉んだりしてもやわらかくはなりません。「なぜそうなったのか?」を心と体の両面から確かめて、根本から原因を取り除くことが大切です。