せい氣院

心理カウンセリング

なぜ整体院がカウンセリングを扱うのか

話すこと、聴くこと

当院に来られる大半の方が、はじめはケガの痛みや病症・疾患のような「身体の悩み」で相談に来られますが、しばらく通いながらやり取りを続けていくと、やがては必ず「心理的な問題」に辿り着きます。

というよりはむしろ、「身体のトラブルで心が関与しないものはない」といっても過言ではありません。身体に現れる問題の多くはその人の心の世界にある問題が表面化して起きていることがほとんどです。

つまりは「病気や怪我が心の異常に気づかせ、自ら治ろうとしている」とも言えるでしょう。

ですから整体の臨床の場においても、その人の内面の世界に焦点を当ててじっと話を聴いていくだけで、身体上の悩みが自然に解消されていくようなことがあります。

このことは身心の健康を保つうえで大変重要なことです。目に見えない心の問題に光があたり、その人自身が悩みの本質に気づくことではじめて根本的解決に向かうことができます。

そのためにも私はとりわけ、この「話しを聴く時間」を大切にしたいと考えています。

カウンセリングの実際
- カウンセリングと整体が実際の臨床において、どのようにつながっていくのか -

はじめに座ってお話しているときはだいたいは理性が中心となって働いています。

これは日常的な意識と言ってもよいもので、話すことはたいてい本人が「自覚しているもの」に限られています。

内容は諸々ですが、仕事のこと、家庭のこと、本人としては「私は今これこれこういうことを、考えています(あるいは悩んでいます)」とはっきり理解もしているし、順序立てて人に語ることもできるのです。

そして当院の場合は充分話を伺った後に、「身体の観察(目で観て、手で触れて確かめる)」という作業にかかります。

身体、とくに背中にはその人の胸の内(潜在するこころ)が現れやすいので、本人が気づいていない無意識レベルの葛藤なども捉えることができるのです。

もちろんあまり具体的なことまではわかりません。心の動きをぼんやりとした状態のまま捉えています。

例えば、数日前にむかっときたことがあったとか、不安になっているとか、嫌なことを我慢したなど、そういう瞬間的な情動がわりに色濃く身体に残っていることはよくあります。

もちろん「ウキウキしている」なんていう楽しい気持ちも見える時はありますが、そういうものはあまり悪さをしませんからそっとしておきます。

とにかくそういった自覚しづらい負の感情というのは、本人の知らない所で身体に大きく影響を与えていることが存外に多いのです。

不快感の中でも、新しいものは「今朝あった事」なんていうものもありますし、古いものは幼年期(乳児・胎児期)のような昔の成育環境まで逆登るものもあります。

そこで、日常の出来事や今までの生活をふり返りながら自分自身の理解を深めていくと、身体を暗に支配している気持ち(潜在意識)に気付くことができるのです。

こうした方法で心身への不快情動の影響をなくしていくことで、本来持っている自分の力を発揮し、その人らしい「より良い生き方」へと流れが変わっていきます。

話すことでゆるむ

上のような事情で、当院では特に初回お体に触れる前に、ゆったりリラックスしてお話しを聞くための時間を設けています。

時間の長さは特に決めていませんが、初回のお時間がだいたい2時間くらいですから、あまりお話をされない方の場合は30分ほど、長い方だと1時間くらいです。

過去に予約時間のほとんど(2時間)をお話に費やして、「何だかわかりませんが、楽になった」といって帰られた方もいらっしゃいますので、その辺りはお越しになられた方のその日の調子にある程度お任せしています。

また「心の内面の悩み」などというと、何となく話しづらくなる方もいらっしゃると思います。

身体に不調を抱えている方の中には、それ以前に一人で深く考えすぎてとても疲れていたり、自分の内面の問題にうすうす感づいていても、それがあまりに辛い出来事であったためにうまく感じ過ぎないように生活しているようなケースもあります。

そのような方にとって、知らない人と会って話をするということ自体が大変疲れるものです。これでは充分リラックスして癒されるのはむずかしくなってしまいますね。

自然治癒力というのは心身ともに力が抜けてリラックスしている時によく発揮されるものです。

少し言い方を変えると、健康を保つためには、生活の中で心と体が共にやわらかく、「ゆるんでいる」ということがとても大切なのです。

そういう観点から見たときに、落ち着いた環境で「自分の思っていることを、好きなように話し、ただ聴いてもらう」ことは、身体の緊張を取るためにはなかなか効果的なようなのです。

自分の隠れた心に気づいてあげる

話す内容はその人の生活上の出来事や仕事・趣味の話、家庭の出来事など、どんな内容でも良いと思います(ヒミツを無理に話す必要はありません)。

一見して身体の問題とは関係なさそうな話でも、その人の心の中ではどこかでつながりがあるものです。

それは例えると植物の専門家が大木に茂った一枚の葉っぱを観ても、その樹木の品種や健康状態などが解るのと似ています。

クライエントの発する全ての言葉には意味があって、そこに静かに共感しながら耳を傾けているだけでも、時間とともにクライエントが自分の力で立ち直っていかれることがあるのです。

こんなとき私は心の自浄作用とでも言えるような、生命の〈つよさ〉にただただ感嘆します。

上のような理由から、当院ではこういった「こころの対話」をなるべく自然に行えるように、お越しになられた方にはまず充分にリラックスしていただけるような環境作りを大切にしています。

心の問題に気づいてそっと見守ってあげると、それだけで何かが変わってくるから不思議です。

こうした問題はお一人ではなかなか見つけにくいので、「どういうところが、どんなふうに大変なのか」をよく伺って、共感していくことを何より大切にしたいのです。

その手段としてまず当院では、一つ一つの言葉のやり取りをできるだけ大切に行うよう心掛けています。

整体やカウンセリングがまったく初めての方は最初緊張されるかも知れませんが、みなさんが普段からしている「お話」となんら変わったところはありません。