体癖各論 前後型(五種・六種)
動作の基柱
腰椎5番:呼吸器型
体型
五種は肩が大きく張っているため、上半身は逆三角形に発達していく。いわゆる鳩胸であり、女性の場合は乳房が大きい。首が前に向かってについて、顎の先端が突き出ている(唇から顎の先まで距離がある)。肘から先、膝から下が長い。年を取ると前屈してくる。
六種は肩が前に巻いて、やや猫背気味。ゆらーっと立っている。
体質
呼吸器が強いために常に前傾姿勢で行動する構造になっている。五種にとって生きることは「前に進む」ことと同義であり、じっとしていると眠ってしまう。「現状維持は後退である」「前進あるのみ」などというのは五種の型である。
ランニングを主体とするスポーツ全般に向いている。
性格・感受性(利害得失)
明るく、明朗な印象を与える人が多い。女性の場合はいわゆるクール・ビューティーである。自動車が趣味の男性が多いが、ボディラインなど「形」と機能性に敏感であり、色調などにはあまり反応しない。(⇔三種)
合理性を重んじ、数値上の整合性が取れなければ実行に移さない(自然科学は五種的感性の産物)。
たった一つの正解を割り出すような物理学、数学(自然科学)をやる人は多いが、目的がはっきりしにくい思想哲学や文学(人文科学)の分野にはあまりいない(こちらは上下型の領分である)。
また筆者が今まで会った五種の人は「絵」が書けないという人が多かった。「図工の時間に何をやっていいのかわからなかった」と言った人もいた。絵画や造形芸術は苦手だが、音楽(ロック)の世界にはよくいる体癖である)。音楽はリズムやビートに反応する。
利害や損得に敏感であるため数字に強い。なおかつ情に流されにくいため会社経営に向いている。レストランのオーナーシェフや急進的に成長を遂げた会社のリーダーはたいてい五種か七種である。
「よくわからないもの(不合理なもの)」に弱い。例えば「もしかしたら、〇〇病かも知れない」などと言われると、急に青菜に塩の如くしおれてしまうことがある。
流行に敏感。新商品、新メニューが出た時には先ず買ってみる(九種は最後まで買わない)。日本史上では、鉄砲・キリスト教・甲冑など舶来ものを好んでつぎつぎ活用した織田信長は五種の典型である。
整理整頓が得意であり、散らかっていることがいやでしょうがない(三種は散らかっているのが「普通」であり、そこに心地よさを感じる)。
背広が良く似合う。またピタッとしたシャツやパンツを好んで身に付ける。
人付き合い
明るく、広く浅く付き合うことができる人が多い(社交的)。会社のような公のコミュニティで協調的に力を発揮できる。
贈り物は高価なものや、商品券をもらうと嬉しいが、「寄せ書き」や「千羽鶴」のような気持ちが主のものには喜ばない。自分が贈るときは渡すものの原価を計算し、それにふさわしい見返りがあるのかどうかを無意識に計算する。
五種の男は三種の女性に惹かれやすい。しかし整理整頓が好きな五種に対し、三種は片付けができないなど一緒に生活するといろいろな問題がある。
生き方(職業)
何かにつけて先進的気質を求められる現代社会にあって五種は有用な気質といえる。
目立つこと、人目につくことをやりたがるので芸能人やプロスポーツの世界には多い。指先が技巧的によく動くため、ギタリストやピアニストにも五種はよくいる。
何でも「上」を目指そうとする。会社なら収益を上げる、スポーツなら記録を出す、など直線的な目標を好む。
決められたレール(既存の価値観)の上を走るのは得意だが、目的のはっきりしない哲学や芸術方面にはあまり見られないタイプである。
疲労傾向と対策
動けない、前進できない環境ではすぐ「つまらなく」なってしまう(止まったら死ぬマグロのような生き物である)。デスクワークならば、職場を自宅から遠くにして車や電車で通勤をするのがよい。
くたびれたら運動によって鬱散することだが、特に外から言わなくても自分でジョギングをするなどして自然にバランスを取っている。
前後型が濃く表れている人物
- 五種
- マイケル・ジャクソン、エルビス・プレスリー、新庄剛志、ニュートン、アレクサンダー大王、中田敦彦
- 六種
- 尾崎豊