せい氣院

活元運動とは

活元運動とは、頭をリラックスさせて人間の健康を保とうとする働きを活発にする運動です。身体に無理をかけずに誰でも自然に行うことができる、安全な体操です。

寝相がみんな違うのは人はそれぞれ疲労の傾向が異なるからです。そのため疲れを取るための格好や運動はみんな違います。活元運動はその時その人に合った動きを身体が感じるままに展開します。活元運動は充分に出ると体の偏りが修正され、やがて自然に沈静化します。

「どういうものか知りたい」という方は体験していただくのが一番間違いがありません。ただ、独学ではなく正しい指導者に学ばれる方が望ましいです。

身体の自然に委ねる

活元運動はもとは錐体外路系という体の無意識の働きのことで、脈や呼吸などもその一つです。あくびやくしゃみなども錐体外路系の働きですので、これは生まれたばかりの赤ちゃんでも、はじめからそうとは知らずに誰もがやっています。

例えば、走ると鼓動が速くなりますし、食べると消化器が働いて消化吸収、排泄を適切に行います。そういう生理的な、ごく自然に行われている生命活動が私たちの健康を支える上でどれ程重要か、あまりに当たり前すぎてその多くが見過ごされているのです。

外気が暑くても寒くても平熱を保っているのも、身体のバランス作用がいつでも働いてるからです。

さらに、身体に雑菌が入ると、自然に熱が出て繁殖を食い止めます。ですが熱が42度を上回るということもありません(そのため体温計の目盛りは42度までです)。すなわち「生きている」というのはそれだけで、命のバランスを保つ力が完璧に働いているのです。

このような力(恒常性維持機能)をそのまま発揮できれば、外からいろいろなストレスを受けても自前の体力だけでみんな間に合います。

ですから健康生活の実現といっても、これからそういう身体に「なる」という訳ではありません。もともと備わっている生命の力に目を向けて、積極的に自分の体力を使っていこうとする態度が整体法の根本なのです。

そのためにはまず、身体がゆるんで活性化するために、頭をよく休める(ポカンとする)ことが肝要です。

「ポカン」として身体(無意識)の動きに任せる

それでは具体的にどういう方法を取るかというと、意識活動が休まるように呼吸法と準備動作を行ない、その後瞑目してポカンとした頭で身体に任せていくようにします。

「息をやわらかく吐き切る」「背骨を捻じる」「延髄に力を集めて抜く」、というこの三つの準備体操を行った後、正坐か椅子座でひざの上に掌を上に向けて置きぼんやり待っていると、後はひとりでに運動が出てきます。

すぐにそれ(活元)らしい運動が出る人もいますし、逆に活元運動が出るまでに時間のかかる人もいます。人によっていろいろですけれども、とにかく続けているとやがてはみんな出るようになります。

活元運動が出やすい人は身心が敏感だと言えますし、出にくい人は頭のゆるみにくい人です。自分で自分の感情や欲求などを「コントロールしよう」とする意思の強い方ほど、筋肉・内臓・骨などが固くなりやすいので、こういう方は活元運動をやっていくとだんだん生活が楽になっていかれます。

最初にも書いた通り、活元運動は年齢や性別を問いません。スポーツと違って怪我をすることもありませんし、一般家庭で一畳ほどあればできる安全な運動なのでどなたにも勧められます。