院長

朝比奈洋介 (1977- 横浜出身)
2007-2016年(一社)野口整体 気・自然健康保持会で整体法を学ぶ。
2009年横浜 大口にせい氣院を開業。
2014年反町へ移転 現在に至る。
略歴
1993年 高校生の時に空手の道場に入門したことから体に興味を持つ。
2001年(22歳)昇段審査の最中に左ひざの前十字靭帯を断裂する怪我を負う。以後体と心について考えるようになる。
2005年(28歳)武道関連の本を通じて野口整体を知る。同年11月新宿朝日カルチャーセンターで催された故金井省蒼による講座をきっかけに、(当時)同氏の主宰する「野口整体 気・自然健康保持会」で整体法の個人指導を受け始める。
2007年 2年間個人指導に通ったのち、後継者育成のための塾へ入門。整体法を学び始める。
2009年 せい氣院を開業、臨床を始める。
2023年 現在は河合隼雄のユング心理学や、禅なども援用して、一人一人の相談内容や要望に合った整体指導を心掛け行っています。
ごあいさつ
子どものころはあまり丈夫な方ではありませんでしたが、高校生から空手を習いはじめ、体を刺激すると意識が変わることに興味を持ちました。
入門した道場は激しい稽古をすることで有名な流派でした。打撲や捻挫、骨折といった怪我の心配がつきない環境下で、体に起こることには心の状態が深く関与していることに気がつき、それからは相対的に強くなることよりも根本のものに近づきたいと考えるようになりました。
やがて体と心は「つながっている」のではなく、それらの背景に何か一つの総体がある、という私なりの考えを持つに至りました。
こうした経緯から、心でも体でもなく「いのちの姿勢を正す」という整体法の考え方は、私にとって最初からしっくりいったようです。
これまでの自然科学では人間から心を切り離して、物質として研究してきました。このような唯物的な考え方では捉えきれない、「生きて、動いて、絶えず変化する人間」に取り組む道として整体法は発展してきたものです。
科学的なアプローチとは研究対象を細かく分けていって、個々の構成要素と性質から全体を理解しようとする方法です。これは大変強固な合理性を有しているため、近代医療の高度な技術を支える重要な考え方となっています。
一方でこのような方法からは生きた人間をリードしていくための理想や信念といったものを見い出すことは難しくなります。既に体に起きてしまった現象を後から追いかけるのが精一杯で、生命の次なる一歩を感知し導くことは不得手となります。
そのため現代の医療は機械論に拠った「こわれた部分を直す」という行為の集積になりつつあります。そして義務教育は生きた人間を見失い、断片的な知識の切り売りに堕しています。
その結果体に問題が起きたら医療に任せきり、心や精神的な問題に関しても薬を処方する以外に有効な手立ては公に示されてはいません。こうした生命の機微に直接触れる問題に関しては、民間の手で個別に対応されてるのが現状です。
整体では、体が弱ければ積極的に使って丈夫になる道を勧めます。病気が治らないのなら、病気の必要のない体や心へと再教育する、ということで問題の根を断ち切ることができるのです。
そして寄り掛かっているものがあれば取り除き、自分のもともと持っている力を自覚して、これを十全に発揮し生活することが第一義です。
自然界ではごく当たり前のことですが、文明や社会が複雑に発達した人間にはなかなか難しい在り方です。特に2019年に惹起したコロナ禍と呼ばれる社会現象は、萎縮した人間の心と生の末期的現象として私の目には映りました。
人間を含め〈いのち〉とは、もともと元気で自立したものです。この事実に目覚めて生活することが健康生活を創造する第一歩であると私は思います。
2023/10/26