せい氣院

自己実現 - 野口整体によるアプローチ

「自分らしさ」を育てる身体教育

整体とは「体を整えることで、自分らしく生きる」という思想が形となったものです。

意識を静め、身体の感受性を豊かにし、自身の裡なる要求を知ることで自発的な生活が実現します。

そして自分の中にあるちからを自覚し、これを余すことなく使っていくことで身体だけでなく生活自体が整っていきます。

自分の心や体は、いまどうなっているのか

現代の日本には上のような「病気という程ではなくても、健康であることをはっきり自覚できない方」はたくさんいらっしゃいます。

中でも「うつ・(不安)神経症・自律神経失調症」といった心と体の両面にまたがる疾患が数多く目立ち、特に青年期~中年期にかけて自身の生き方について長期にわたって悩んだり、予期せぬ病気にかかったことをきっかけに自分の心や体、また生命に対して漠とした不安を抱える方も少なくありません。

当院は、このようにして沸き起こってくる様々な身体の不調や違和感、また抑うつや不安、意欲がわかないといった心の不全感など、心身両面の問題に自ら向き合おうとする方を対象に整体指導を行なっています。

「整体指導」とはこうした症状を治す(消す)のではなく、体を整えて病症体験を乗り越えることによって心の在り方を再編し、人格の変容・成長を期するものです。

整体の目的はその人らしく、「よく生きる」こと

整体の目的は体を整えることで自身に潜在している力を掘り起し、発揮していくことにあります。心身の変化にともない自身にとって「よりよく生きる道」を開拓し、充実した人生を創造していくことが主眼となります。

そのためには先ず「体が整っているとはどのような状態か?」ということを自分の身体を通じて体験的に理解していくことが必要です。

ここでの「整っている」とは単に背骨が真っ直ぐであるとか肩・骨盤が水平であるということではなく、個人が自己の内面にある快の感覚に順じて、「自然とそうなっている」体勢にあることです。

これに反し、現代を生きる多くの方々はさまざまな観念や知識によって、身体に具わる自然の感受性を曇らせて生活しています。しかし人間は本来、無意識のはたらきによって何もしなくても身体は整うようにできているのです。

このように「何もしなくても整う」ためには、頭のはたらきを充分に鎮め(ポカンとさせ)てこれまで感ずることのなかった微細な身体の感覚が味わえるように正しい訓練をしていく必要があります。

つまり「身体を敏感にする」ということですが、その過程において全身のゆるみが重要な鍵となります。

「体が整う」ことで見えてくる本当の自分

現代人の多くは意識に偏ったために、「自分がどうしたいのか、どのように生きようとしているのか」といった根源的な要求に対して非常に鈍くなっています。

これは義務教育を中心に「考えること」を幼児期から訓練されることが深く関与しています。

もちろんこのこと自体は悪いことではりませんが、理想を言えば考える訓練と同等に感じる能力ー感性および身体性ーの訓練も行われることが望ましいと言えるでしょう。

本来生命の根本的な「要求」は意識のずっと深層にあります。ですが、忙しい現代社会を生きる多くの人々は常に思考が過剰に働いているために、自身の「感じているもの」を味わっている時間が充分に取れないのが実状です。

そのため一時的に意識の状態を切り替えることで身体の要求に任せ、自分の無意識と向き合う場を作ることで心の均衡を取り戻す(瞑想法の)必要性が高い状態にあります。

心の深層にある「要求」を知り、生を活かす

野口整体にはそうした良質の瞑想に入る方法として活元運動という無意識運動があります。

これにより意識の過剰な亢進によって生み出される身体の緊張(凝りや張り)をゆるめ、普段は意識の抑制を受けて沈んでいる無意識を一時的に活性化させることができます。

このときはじめて頭がポカンとし、本来の私(自己)が目覚め活発に動き始めます。

このような体験を一定期間くり返すことで「自分がどうしたいのか、どのようにこの人生を完成させたいのか」といった根源的な要求に沿って行動していくことが少しずつ可能になっていきます。