せい氣院

体癖各論 上下型 (一種・二種)

動作の基柱

腰椎1番:大脳型

体型

一種・二種ともに首に特徴があり、特に一種は太く垂直に伸びて顔も長く全般に高身長の人が多い。二種は首は細いが、胸鎖乳突筋(横を向いたときに張り出す筋肉)が緊張しやすい。

体力が余ると全般に脳の運動(思考活動)によって解消されるために、血液の流通が多く首が発達する。手足も細長く、バレエのような伸展動作を得意とする。

体質

一種は空想するとそれがよくに身体上に現れる。例えばいま食べたものが「それは腐っていたよ」などと言われると、お腹が痛くなったりする。お守りでも薬でもそれが良い、効くと思い浮かべたら、それきり安心して丈夫になってしまう。

動作がゆったりして、おだやかにみられやすい。実際、喜怒哀楽によって生ずる感情エネルギーがすべて思考活動によって処理されるので、こうしてああしてと空想するともうそれで気が済んでしまう。

「眠る、眠れない」ということは非常に気になる。疲れたり、具合が悪くなるとまず「最近よく眠れてなかったか?」と考える。そのため旅行計画などを立てているときに、何時に着いて、翌朝何時に出るから、〇〇時間は寝られる、などとよく考える。

またしゃがむことは苦手であまり好きではない。しゃがめない人もいる。

体は細いが字を書くと大きく立派な字を書く

性格・感受性(毀誉褒貶)

褒められる、貶されるということが何よりも気になる。「そんなことをしては笑わる」というのは上下型においては殺し文句である。

物事の価値でも自分の裡から感じて評価する、ということができない。専門家がこう言っている、〇〇王室御用達、などと聞くと鵜呑みにして「ならばいいものに違いない」と確信する。反対に九種ならば自分の目で見た物しか信じない。むしろ他人の評価には懐疑的で、「本当にそうか」、「どこのどういう人がどういう理由でそう言ったのか」という角度からまず取り掛かる(疑り深い)。

一種は知的で物静かに見られやすい。感じたことよりも言語的に考えて納得のいく方を信じる。三種はこれを知的と感じてぽーっとなるが、九種は間が抜けていると見る。俗に「天然」と言われる人は一種が濃く現れている人が多い。

最初に「あ、」と感じても、すぐ動作に移れないためにチャンス(機)を逃しやすい。これとは反対に九種が直観したこと、三種が感じたことは即行動になる。

上下型は全般に真面目とみられる。二種は一種以上に規則や法規に縛られた生活を好み、社会倫理という観点からは決して羽目を外さない。そのため「しばられず自由に好きなことをやりなさい」などと言われると困ってしまう。

一種は人に苦情を言うということを負担に感じ、めったに言わない。黙ってがまんして、その感情エネルギーが内向して病気になることもざらである。そこでその苦情の大本を掴まえだして本人に代わって「あれは行儀が悪い」、「正義に外れている」などと言語化してやると、それを横で聞いているだけで良くなってしまうこともある。

意識はだいたい上に向いているので、吊革につかまることや、吊戸棚に手を伸ばして物を取るのは苦にならない(九種であれば床下収納を好む)。逆に足元の意識は手薄であり、一種の大人は子どもに話しかけられても気がつかなかったりする。

人付き合い

全般に広く平坦に付き合える人が多い。好悪の感覚を離れて人とはよく話し合うことはでき、客観的には良好な関係性を作れていることが多い。

大脳(思考)型の一種は感情優位の三種に惹かれやすい(ユング心理学でいう「影」になる)。また直感力の優れた九種ともお互いに補完し合う。

一種は贈り物をするとき、みんながよいと思うものを選びやすい(ブランド物など)。「有名人の誰々も使っている」などという売り文句に弱く、物をもらった場合もどこそこで買ったお菓子、など「箔」や「銘柄」に反応しやすい。そして包み紙や袋に気を使い、見た目の良いものを選んで贈ろうとする。

生き方(職業)

「社会規範」を遵守することを重視するため、「人と変わっている」ことを恐れる(お役所タイプ)。こんな事をして笑われはしまいか、というような行動はしない。決まりを守らない人を嫌い、非難する。三種のように自分の感情を中心に動いてしまうタイプは、一種から見ると「はしたない」と思う反面、魅力的にもうつる。よって一種と三種の夫婦という組み合わせは多い。この場合イザコザ、喧嘩は少ないが深く解り合うこともない。

特定の思想を打ち立てそれに基づいて行動することがあり、政治家・指導者などにも一種は多い(六種も多い)。また大学卒業後も院に残って研究職に進んだり、〇〇学者というタイプにも多い。

詩人、作家など言語を中心とした創作活動を行なうタイプの人もいる。

またバレエダンサーや野球のピッチャー(キャッチャーは皆無)、バレーボールなど、手の挙上動作を要するスポーツの世界にも一定の割合で見られる体癖である。

疲労傾向と対策

眠れない、よく寝られなかったという「こと(空想)」に耐えられず、全身がくたびれてしまう。だから眠れる環境や時間の確保が大切である。

頭が疲れたときには、椅子に座って足を机の上に乗せるとよく休まる。

仰向けに寝て手を伸ばす、同時につま先を体の方に引き上げてアキレス腱を伸ばすと疲れが抜けたと感じやすい。

上下型が濃く表れている人物(敬称略)

一種
フルトベングラー、岡潔、芥川龍之介、良寛、シャルル・ド・ゴール、ルノワール、ランディ・ジョンソン、檀ふみ、モディリアーニの描く人物像、アルベルト・ジャコメッティの彫刻作品
二種
鳩山由紀夫、岸田文雄(二種・五種)、仁志敏久(二種・九種

体癖各論