整体法の個人指導とは
個人指導の目的は一人一人の個性に合わせて身心をノーマルな状態に導くことです。
ここでいうノーマルとは体が自然に調和した状態のことです。調和とは体調や体勢、そして呼吸や脈といった体のリズムまでが整っている状態です。
このような状態を保つためには一度身心をリラックスさせて体の余分な緊張をほどくことが鍵になります。体は全ての部分が有機的につながっているため、力を抜いてそっとして置くことで最善の働きをするようになっています。
現代の医療は対象とする箇所を体の一部に限定して画一的な治療を施しますが、このような方法は即効性もあり確実な反面、全体の調和が犠牲になっています。
そのためある一箇所の治療が終わると他が毀れる、というモグラ叩きのような現象がときどき起こるのです。
そもそも人はみな体の動かし方も疲労傾向も異なります。偏った体の使い方が何年も続くと時に故障が生じるのです。
このような場合に整体は体のこわれた箇所を修繕するのではなく、その人の体を毀すような使い方、またはそのような生活を作ってきた考え方や価値観の偏りなども修正するように努めます。
そこで当院の場合はカウンセリング(対話)と整体操法という技術を使います。整体操法とは、体を生かしている見えない力を「気」と仮定して、この気と気の感応(お互いに響き合い影響し合うこと)を前提に体に手を当て適切に刺激していく技術です。
具体的な方法はその都度その人に合うものを考え出すため、病院で行っている科学的な治療法のように「整体とはこういうもの」という具体的な説明ができません。
初回は上の内容に加えて、整体法の基本的な考え方と目的を最初によくご説明します。
その上でしっかり納得された場合に限り、続けて体を観ることにしています。
ご相談に来られた方が「どのようなことに問題を感じているか」、「どうなりたいか」をよく伺ったうえで、問題の解決、目標に向けて一緒に取り組んでまいります。
文明生活の中で「人間が自然のバランスを保って生きる」ということを考えるとなかなか難しい面もありますが、心も体も何かと忙しい現代社会においては一度体の緊張を全てほどき、頭をポカンとさせてゼロから再出発することには大きな意義があります。
当院の整体法を通じて自分のいのちの力を実感していただきたいと思っています。
2023/5/23